テーマは「避難所運営」。
大規模災害発生時には、地域住民の様々な助けあいが不可欠となりますが、地域にいて体力や理解力もあり、自主的な行動がとれる中高生は、近年の災害時の例からも地域防災の担い手として期待されています。
講座では、HUG(避難所運営ゲーム)を通して、災害時に自分にできることや日頃の備えについて考えました。
工業高校に避難所が開設されたとの設定で、グループに分かれて、次々にやってくる避難者の状況や要望を考慮しながら避難所に配置していきました。
持病があったり体の不自由な方をどこに配置するか、犬や猫などペットはどうするかを相談しあったり、避難者の要望や苦情に頭を悩ませたり、また介護や看護の経験のある避難者に協力を仰いだりと、限られた時間とスペースの中で工夫しながら熱心に取り組んでいました。
講座後のアンケートでは、「避難所の大変さを知ったので、できることを手伝いたい」「防災についてまだまだ考えが甘かったが考え直すことができた」「いざやってみると他人まかせが多かった。これからの生活に活かしたい」など、災害を身近なこととしてとらえた意見が目立ちました。
講座に協力していただいた、名古屋なかがわ災害ボランティアネットワークのメンバーや第3次地域福祉活動計画の推進委員さんからは、「工業高校で学んだ皆さんは、避難所や地域で活躍できることがきっとある。できることに取り組んでほしい」「今は高齢の方が地域の防災を担っているのが現状。若い皆さんの力を活かしてください」と熱いメッセージが送られました。
まもなく卒業する生徒さんたちには、今後、地域や職場、家庭などで主体的な役割が求められることも多いと思います。今回の講座が災害時の行動や日頃の備えにつながればと思います。
(伊藤ゆ)